
ただ一点、このような方法は現状のままでは致命的な制約を残してしまうことになります。それは1クラスの人数です。私は、英語に限らず外国語の授業というものは多くとも15名が限界で、できれば5~6名で行うのでなければ結果は期待できないと感じています。しかも、コミュニケーションを重視する今回提示したような授業スタイルであればなおさらです。
日本の学校の1クラスが40名といった状況で英語の授業が行われているのを見るとこの観点からも、そもそもコミュニケーションツールとしての英語ではなく、「言語学」という別の学問の授業が行われていると見るべきではないのかと思ってしまいます。
したがって、今回提案したような直説法を学校英語に取り入れるためには1クラスの大きさを15名以下にしなければなりません。
しかし、そのために英語教師の人数を現在の3倍に増やすことは現実的ではありません。ですので、現実の状況にあわせて、実現可能な案を考えてみる必要があります。
現在の中学校での英語の時間数は週に3回と定められております。一方、高等学校の英語の時間数に関してはそれぞれの学校ごとに教科に対する重要度により、かなり違いがあるようですが、英語は主要受験科目と捉えられていることもあり、週に5~6時間を確保しているところも少なくないようです。
私が問題だと捉えるのは、中学における週に3回という授業時間です。
英語の授業を英語で行うという直接法の効果はランゲッジヴィレッジにて実証済みですが、英語の単語や語法の知識量が少ない段階においては圧倒的な時間数の確保が前提となります。
英会話ができないと思っていた人がランゲッジヴィレッジでの2週間で効果を実感できるのは、学校教育によって単語や語法を一応は頭の中に入れていたおかげだということでもそれは分かります。
そのような授業時間確保状況の中で1クラス40名のクラスを15名とするには教師の数を一定とすると、週に1回の授業とするしかありません。
これでは、どう考えても時間数が足りませんし、直接法の効果が出ず、かえって中学生の英語に対する興味を失わせる方向にはたらいてしまう危険性があります。
ですので、現実的には中学三年間については基本的に現在の授業方法を継続した上で、部分的にコミュニケーションの楽しさに触れさせる工夫を加えるにとどめるべきかと考えます。
これにより、はじめから直接法を用いるよりも効率的に最低限のコミュニケーションをとるために必要な文法や語彙等を習得させた上で、適宜、英語を学ぶことの目的を意識させることで、それをコミュニケーションに応用する方法に触れる機会を持つことが可能となると考えます。
その上で、高等学校においては、中学校で習得したコミュニケーションをとるために必要な文法や語彙等を前提として、1クラス40名のクラスで週に6回のところを、1クラス15名のクラスで週に2~3回という形に変えることで、直接法の効果を最大限に引き出す教育が可能となると考えます。